SBI証券での「つなぎ売り(クロス取引)」のやり方を説明します。
「つなぎ売り」って何?という方は、まずはこちらの記事からご覧ください。
「つなぎ売り」は、権利付き最終日の前に、同じ銘柄で
- 買い:現物の株式
- 売り:信用取引
の取引を同時にすることで、株の値動きを相殺させて、株主優待だけもらいましょう
というものです。
それでは、「つなぎ売り」のやり方を説明していきます。
目次
1.株主優待の権利が貰えるのはいつ?
「つなぎ売り」を行うためにも、いつ株式を保有していたら株主優待がもらえるかを確認しましょう。
2019年10月を例に説明しますと、
株主優待は、「権利付最終日」の取引終了時点で株を保有している株主に付与されます。
いきなり、「権利付最終日」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は
株主優待を渡す人を判定する日ということで、「権利付最終日」の取引終了時点(15時)で株を持っている人に、株主優待を渡しますよということですね。
この「権利付最終日」の計算方法は、
- その月の最終営業日(平日)ー 2営業日
になります。
2019年10月の場合ですと、
31日(最終営業日)-2営業日 = 29日(権利付最終日)
になりますね。
つまり、29日の15時(取引最終時間)時点で株式を保有していれば、株主優待を貰うことが出来ます。
そして、次の日の30日(権利落ち日)には、株式を売却しても株主優待を貰うことが出来ます。
これを「つなぎ売り」に照らし合わせると、
「権利付最終日」の29日までには同一銘柄で「現物の買い」と「一般信用の売り」注文を行っている必要があります。
これで、株主優待が貰えるタイミングは分かりましたね。
「一般信用の売り」は取引出来る期間が限られていますので、次はその点について説明します。
2.いつから一般信用の売りが出来るのか?
①「一般信用の売り」の在庫は奪い合い
先ほど、29日までには「現物の買い」と「一般信用の売り」注文を行っている必要があると言いましたが、29日に発注するのでは遅いという場合が多いです。
というのも、「一般信用の売り」が出来る株数というのは限られており、自分が「一般信用の売り」注文を発注しようと思ったときに、その在庫が無ければ発注することが出来ないからです。
つまり、「一般信用の売り」は皆で在庫の株数を奪い合いしている感じですね。
一般的に、「一般信用の売り」が出来る株数は、
- 時価総額の大きい銘柄:多い
- 時価総額の小さい銘柄:少ない
という特徴があります。
例えば、ANAのような大企業の場合は「一般信用の売り」の在庫が多いが、SHO-BIのような企業の場合は在庫が少ないということです。
そして、人気の株主優待を提供している企業であればあるほど、株主優待を「つなぎ売り」で確保するために、皆が早い段階から「一般信用の売り」注文を行うことになります。
②いつから「一般信用の売り」は注文できるのか
人気の株主優待は、早い段階から「一般信用の売り」を行う必要があるということになると、「一般信用の売り」はいつから出来るようになるのかということが重要になってきますね。
下のカレンダーは2019年10月のものですが、SBI証券では「一般信用の売り」は8日約定分から注文が行えます。
※実際には、7日の19:00から、8日分の注文として発注は行えます。
結構早い段階から、「一般信用の売り」注文は行えます。
2021年の「一般信用の売り」のスケジュールは、過去記事に掲載されていますので、参考にして下さい。
クロス取引の2021年スケジュール(SBI証券、楽天証券)
ただし、ここで気を付けなくてはいけないのは、「一般信用の売り」に対しては、その日数に応じて3.9%の貸株料(日割り)がかかってきます。
つまり、「一般信用の売り」を長い期間行っていれば、それだけ貸株料のコストがかかってきます。
そのため、「一般信用の売り」を早い段階から取引する場合、
株主優待の価値 > コスト(取引手数料+貸株料)
になっているか確認をしましょう。
一般信用の在庫の確認方法
「 一般信用の在庫」は、毎日19:00に更新されます。
確認方法ですが、
①まず、SBI証券のHPでログインをします。
②「国内株式」をクリックします。
③ページ中ほどにある、「一般信用売り銘柄一覧」をクリックします。
④「短期銘柄」をクリックします。
⑤「優待権利確定月」の中から、対象の「月」をクリックします。
※3月の株主優待を「つなぎ売り」するときは、「3月」をクリックします。
⑥そうすると、3月決算銘柄で、「一般信用の売り」を取引出来る「銘柄の一覧」と「売建受注枠」が表示されます。
売建受注枠の表記は以下の3種類になります。
- ◎:余裕あり
- ▲:残りわずか
- ×:受注不可
◎と▲の時は、「一般信用の売り」を取引出来ますが、×の場合は在庫無しということなので取引が出来ません。
在庫が×になっていても、次の日の19時のタイミングで追加されることもありますので、諦める必要はありません。
また、人気の銘柄ですと、皆さん19時のタイミングで注文をしに行きますので、一瞬で在庫が無くなってしまいます。
そのため、出来る限り一般信用の売り注文がスタートする段階でスタンバイ出来ると良いです。
※当ブログでは、過去のSBI証券の一般信用の在庫を掲載していますので、参考にしてみて下さい。
一般信用取引の売り注文を行う
買い注文はいつでも発注できますので、まずは在庫に限りのある「一般信用の売り」注文を発注して確定させましょう。
SBI証券の「一般信用の売り」の在庫状況は19時00分ピッタリに更新されますが、
注文の受付は、19時00分35秒~55秒過ぎぐらいからになります。
では、実際に一般信用の売り注文をやってみましょう。
ここでは、「すかいらーく」を例にとって説明していきます。
①「すかいらーく」の銘柄画面で、「信用売り」をクリックします。
②注文画面に行きますので、以下の赤枠を入力していきます。
- 株数
- 価格:成行を選択
- 信用取引区分:一般(15日)を選択
- 取引パスワードを入力
- 注文確認画面を省略:チェックを入れる
- 注文発注
③注文を発注すると受付画面に行きますので、間違いが無いか確認をしましょう。
これで、売りの注文は完了です。
今度は、買いの注文を見ていきましょう。
現物株式の買い注文を行う
①「すかいらーく」の銘柄画面で、「現物買」をクリックします。
②注文画面に行きますので、以下の赤枠を入力していきます。
- 株数を入力
- 価格:「成行」を選択
- 期間:「当日中」を選択
- 預り区分:「特定預り」を選択
- 取引パスワードを入力
- 注文確認画面を省略:チェックを入れる
- 注文発注をクリック
③注文を発注すると受付画面に行きますので、間違いが無いか確認しましょう。
赤枠部分で注意書きがありますが、関係ないので無視して大丈夫です。
④上の画像の緑枠部分「注文照会」をクリックする。
注文一覧画面で、もう一度注文内容が正しいか確認しましょう。
取引時間外に発注しますので、この段階であれば、まだ注文の修正も可能です。
これで、注文の出し方は分かったと思います。
SBI証券は、アクティブプランの手数料設定にしておけば、毎日以下の金額までは手数料が無料です。
・信用取引:取引金額100万円
・現物取引:取引金額100万円
そのため、100万円以下のつなぎ売りでしたら、手数料無料で行えることになります。
次は、この注文を出すタイミングを見ていきましょう。
取引時間前に注文を行う
「一般信用の売り」と「現物株式の買い」注文は、19:00~翌8:59までに行ってください。
そうすることによって、9:00に株式市場がOPENした時、売りと買いが同じ値段で約定します。
9:00~15:00の株式市場がOPENしている時だと、売りと買いの価格が異なるため、その差分だけ損をしてしまいます。
こちらは、すかいらーくの日中(9時以降)の板(価格毎の注文状況)になります。
- 買い:1,574円
- 売り:1,573円
になっているので、この時点で注文を出すと、高く買って安く売ってしまうことになって、価格差だけ損しています。
9時前に注文を出しておけば、9:00に株式市場がOPENした後、初めにつく価格で、売りも買いも同じ価格が確定します。
そのため必ず、注文は19:00~8:59までの間に出しましょう!
ここまでの作業で、株主優待を取る手続きはもう完了です。
次は、株主優待を取った後の、保有した株式の処理の仕方について説明します。
現渡注文を行う
「一般信用で売った株」と「現物で買った株」を保有したまま、権利付き最終日の29日を過ぎれば、もう株主優待を貰える権利はゲットしました。
※2019年10月を例に説明していきます。
今度は、現在持っている「一般信用で売った株」と「現物で買った株」を手放すときの話になります。
権利付き最終日の29日が過ぎてしまえば、もう現在保有している株を保有し続ける必要が無いので、直ぐに手放しましょう。
この時、
- 現物で買った株:売り注文
- 一般信用で売った株:返買注文
の注文を入れてしまうと、金額が大きくなると取引手数料がかかってしまいます。
「現渡注文」を行えば、手数料0円で、現在の「一般信用で売った株」と「現物で買った株」を手放すことが出来ます。
現渡注文とは、「一般信用で売った株」を処理する際、株を買い戻して返却するのではなく、現在保有している「現物株」を返却して処理する方法です。
では、現渡注文のやり方を説明します。
①ログイン後、TOPページ上の「取引」をクリックします。
②「信用返済・現引現渡」をクリックします。
③そうすると、現在、一般信用の売りを行っている銘柄が出てきますので、「現渡」をクリックします。
④注文画面に行きますので、以下の赤枠を入力していきます。
- 注文株数を入力
- 取引パスワードを入力
- 注文確認画面を省略:チェックを入れる
- 注文発注をクリック
⑤注文受付画面に行きますので、もう一度注文内容が正しいか確認しましょう。
これで、現渡の注文は終了です。
注意事項は、権利付き最終日の15:30以降に、現渡注文を行うことです。
15:30以降は、翌日(権利落ち日)の注文になります。
株式市場は15:00で終わりですが、SBI証券の場合、現渡注文は15:30まで当日の処理になります。
そのため、権利付き最終日の15:30までに現渡注文を入れると株主優待の権利がとれませんので、注意してください。
権利落ち日の15:29までに現渡注文を行えば大丈夫ですが、忘れることもあるので、私は権利付き最終日の20:00ぐらいには現渡注文を行うようにしています。
これで「つなぎ売り(クロス取引)」全ての作業は終わりです。
後は、2~3か月後に贈られてくる株主優待を楽しみに待ちましょう!
難しそうに見えますが、実際に1回やってみると、思ったより簡単です。
そして、「つなぎ売り」はSBI証券で出来ますので、まずはSBI証券の口座を作りましょう。
SBI証券の口座開設で4,000円貰える、どこよりもお得な方法がありますので、過去記事をご覧ください。
※2022年6月時点:貰える金額がアップしています。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。
とてもわかりやすく助かりました。
ありがとうございます。
高橋さん
こんばんは(^^♪
「わかりやすい」とのコメントありがとうございます